息子(5歳)は虫が大好きです。
「虫が出てくる絵本が読みたい!」という息子のリクエストから、今まで数え切れないほどの虫の絵本を読んできました。
私自身が本好きなので、たくさんの絵本の中から、子どもが喜びそうな絵本を探す時間は楽しいです。
しかし、子育ての忙しい時間の合間をぬって、絵本選びばかりしているわけにはいきません。
「子ども好みの絵本を効率よく探したい」と日々思っていました。
虫が登場する絵本の情報があまりなかったこともあり、絵本選びにたくさんの時間を費やしてきました。
インターネットで検索したり、図書館や書店に足を運んだり、絵本の情報誌のバックナンバーを購読したりしながら、コツコツと情報収集を繰り返し、いろいろな虫の絵本と出会ってきました。
こうして時間をかけて出会ってきた数々の虫の絵本の情報を、同じように虫が好きな子どもがいる保護者の方と共有できたら・・・という思いから、当サイトでは虫好きの子どもが喜ぶオススメ絵本を紹介しています。
ネットや口コミサイトからひろった情報ではなく、すべて実際に読んだ上での感想と情報を載せています。
- 虫好きの子どもが喜ぶ絵本を探している
- よく紹介されている定番の虫の絵本以外の情報も知りたい
という方にオススメの記事です。
今回は、息子が気に入っている虫の本を、絵本を中心に紹介しようと思います。
一言で虫の本と言っても、楽しい気持ちになるもの、虫の生態を知ることができるもの、季節を感じられるもの、人の気持ちについて考えるものなど、さまざまです。
気になった本は、ぜひチェックしてみてくださいね。
幼児~低学年向けの虫に関する書籍は、以下の記事で紹介しています
虫の絵本はこちら
児童書のオススメはこちら
図鑑のオススメはこちら
2・3歳~(未就園児)
おとどけものでーす!(2、3歳~)
- 作・絵:間瀬なおかた
- 出版社:ひさかたチャイルド
- 文字:ひらがなとカタカナ
春の訪れの喜びを、明るい色使いの絵と楽しい仕掛けで表現されています。
やさしい言葉が使われていて、お話も長くないので、2~3歳頃の虫に興味を持ち始めたばかりの幼児にオススメの絵本です。
「ちょうちょびん」は一体どんな荷物を運んでくるのでしょうか?
結末を知ったあとも、何度も読み返したくなる一冊です。
ぞうきばやしのすもうたいかい(2~4歳)
- 作:広野多珂子
- 絵:廣野研一
- 出版社:福音館書店
- 文字:ひらがなとカタカナ
雑木林で繰り広げられる相撲大会のお話です。
ダンゴムシVSカマキリ、クワガタVSカブトムシなど、さまざまな虫たちが対決します。
本物そっくりの絵で描かれた、臨場感あふれる対決シーンは、虫好きの子どもたちに受けがいいと思います。
いろいろな昆虫が登場し、相撲大会の賑やかな雰囲気が伝わってくる一冊です。
はっぱのおうち(2~4歳)
- 作:征矢清
- 絵:林明子
- 出版社:福音館書店
- 文字:ひらがな
はっぱのおうちで雨宿りをしていた、小さな女の子のところへ、虫が次々とやってきて・・・
女の子と虫との温かい交流が、やさしい色使いとタッチの絵で描かれています。
やさしい言葉が使われている短いお話なので、2歳くらいの幼児も最後まで聞くことができるかと思います。
『はっぱのおうち』の対象年齢は2歳~ですが、息子は年中の時に幼稚園で先生に読んでもらい気に入り、購入しました。
小さい子向けのお話ではありますが、もう少し成長しても楽しめる一冊かと思います。
どんぐりころころむし(3~5歳)
- 文:澤口たまみ
- 絵:たしろ ちさと
- 出版社:福音館書店
- 文字:ひらがな
『どんぐりころころむし』は、拾ったどんぐりから出たイモムシを、小さな男の子が観察するお話です。
イモムシの絵が本物にそっくりですが、かわいらしくやさしいタッチの絵なので、虫が苦手なお母さんでも大丈夫だと思います。
非常にやさしい言葉で書かれているので、3歳くらいの小さな子どもから楽しめる絵本です。
白いイモムシはゾウムシの幼虫です。ひろったどんぐりをプラスチックパックや虫かごに入れておくと、観察できますよ♪
セミくんいよいよこんやです(3・4歳~)
- 作・絵:工藤ノリコ
- 出版社:教育画劇
- 文字:ひらがなとカタカナ
ノラネコぐんだんで有名な工藤ノリコさんが描く、いよいよ今夜、セミになる幼虫のお話です。
この絵本は、虫が苦手なお母さんにオススメです。
とにかく絵がかわいいんです。
お話もかわいらしくて癒やされます。
文が短く、言葉もやさしいので、小さな幼児から楽しめますよ。
3・4歳~(年少)
きょうは泣き虫(3・4歳~)
- 作・絵:たけがみたえ
- 出版社:好学社
- 文字:ひらがなとカタカナ
主人公のクワガタは、自己中心的な性格のせいで孤立するものの、森の虫たちの寛容な心のおかげで、また仲間に入れてもらえるようになります。
子どもの世界でもよくあることではないでしょうか?
孤立しているときの気持ち、声をかけてもらったときの気持ちなどが描かれており、幼児も共感しやすい内容かと思います。
木版画家のたけがみたえさんの描く虫たちがユーモラスで、絵だけ眺めていてもおもしろい一冊です。
なつのいちにち(3歳~)
- 作・絵:はたこうしろう
- 出版社:偕成社
- 文字:ひらがなとカタカナ
男の子がクワガタムシをつかまえるまでの感情とともに、匂いや暑さまでもが直球で伝わってきます。
夏らしい色あざやかな絵とシンプルな言葉選びが印象的な絵本です。
オニヤンマなどの子どもに人気の夏の昆虫が、ページの中にさりげなく登場していて、そんなところも虫好きのハートをくすぐるところかと思います。
夏を思う存分感じることができる一冊です。
むしプロ(3・4歳~)
- 作・絵:山本孝
- 出版社:教育画劇
- 文字:ひらがなとカタカナ
カブトムシVSクワガタのプロレス大会の楽しいお話です。
それぞれのチームからは、人気のカブトムシとクワガタが次々と登場し、実況中継の語り口調でストーリーが進んでいきます。
考える内容の本のあとに、私は気分転換にライトな内容の本を読んだりするのですが、こちらの絵本はまさにこのようなライトなタイプです。
何も考えずにサクッと読めます。
カブトムシとクワガタのバトルが好きな子どもにオススメです。
とべバッタ(4歳~)
- 作・絵:田島征三
- 出版社:偕成社
- 文字:全部ふりがなあり
天敵から見つからないようコソコソ暮らしていたバッタは、食べられそうになったときに、初めて大空へ高く飛び出しました。
初めてのことは勇気がいりますが、バッタは勇気を出したことで自分の能力に気づくことになりました。
「ちょっとこわい」と思うことも、勇気を出して挑戦してみようという気持ちにさせてくれるお話です。
それほど長くないお話なので、小さな子どもから楽しめるかと思います。
バッタが天敵と戦うシーンがあるので、バトル好きの子どもにもオススメです。
4・5歳~(年中)
ごきげんななめのてんとうむし(4歳~)
- 作・絵:エリック・カール
- 訳:もり ひさし
- 出版社:偕成社
- 文字:全部ふりがなあり
- しかけあり
ごきげんななめのてんとうむしが、いろんな生きもの相手に喧嘩を挑んでいくのですが、その様子がちょっとまぬけでもあり、クスッと笑ってしまうお話です。
機嫌が悪いときのトゲトゲした気持ちは、小さな子どもも共感できるのではないでしょうか。
物語の最後は温かくやさしい気持ちになりますよ。
こちらの絵本では、時間の経過を表現するために時計の絵が描かれており、時計のお勉強にもなります。
エリック・カールさんらしい、色彩豊かで、楽しいしかけがあるオススメの絵本です。
むしとりにいこうよ!(4・5歳~)
- 作・絵:はたこうしろう
- 出版社:ほるぷ出版
- 文字:ひらがなとカタカナ
虫とりに出かける兄弟のお話です。
この絵本が他と違うなと思ったところは、ギンヤンマやミヤマクワガタといった子ども達に大人気の昆虫も登場しますが、あまり目立たないハムシやゾウムシの仲間などが多く紹介されているところです。
人気の昆虫にスポットを当てた虫の本は多く存在しますが、こういう何気ない虫が登場する絵本って少ないです。
よく見ないと気がつかないような場所にも生き物はいる、ということに気づかせてくれる一冊です。
カブトムシのなつ(4・5歳~)
- 作・絵:いしいつとむ
- 出版社:文研出版
- 文字:ひらがなとカタカナ
カブトムシが大好きな兄弟間で交わされる言葉のやりとり、心の動きがあたたかく描かれているお話です。
大切に飼っていたカブトムシを、元いた林に「返した方がいいのでは?」というお兄ちゃんに対し、「返すのはいやだ!」という弟。
虫が好きな子どもなら、どちらの意見にも強く共感するのではないかと思います。
命の大切さをわかりやすく伝えてくれる、虫好きの子どもにオススメの絵本です。
とんぼのうんどうかい(4歳~)
- 作・絵:かこさとし
- 出版社:偕成社
- 文字:ひらがな(カタカナにふりがなあり)
からすのパンやさんと同じ『かこさとしおはなしのほん』シリーズ、初版が1972年の超ロングセラー絵本です。
タイトルとストーリーのギャップに驚いた一冊(とんぼの運動会を描いたほのぼのストーリーと思った)でした。
ネタバレしてしまうと、赤とんぼが綱引きを利用してギャングこうもりをやっつけるお話なんですが、令和の絵本では見られないような派手な懲らしめ方が、息子には受けたようです。
レトロで哀愁ただよう、秋の空や景色の絵も魅力です。
わっはは ぼくのなつやすみ(5歳~)
- 作:おの りえん
- 絵:タダ サトシ
- 出版社:こぐま社
- 文字:全部ふりがなあり
夏休み、おじいちゃんの家に1人で泊まりに行った男の子が、虫とりなどの体験を通して、成長する物語です。
いろいろな虫が登場しますので、虫好きの子どもは特に楽しく読めるかと思います。
このお話は、タダサトシさんの小学生時代の絵日記が元になっていることが、巻末に記されています。
子どものリアルな気持ちが表現されているため、共感する子どもも多いのではないでしょうか?
むしサッカーはらっぱカップ(3・4歳~)
- 文:杵川 希
- 絵:近藤 薫美子
- 出版社:教育画劇
- 文字:ひらがなとカタカナ
虫たちがサッカーをするお話です。
昆虫の絵本でスポーツを題材にしたお話ってかなりめずらしいですよね。
試合が始まってから終わるまでが、おもしろおかしく描かれており、笑える絵本です。
こちらは絵本の形ではありますが、お話がすべて登場人物の台詞でなりたっていて、漫画のようになっています。
読み聞かせには少し向かないのですが、字を覚えた子どもは、楽しくひとり読みができるのでオススメです。
地面の下のいきもの(幼児~おとな)
- 文:大野正男
- 絵:松岡達英
- 出版社:福音館書店
- 文字:ふりがなあり
「地面の下をのぞいてみたい!どんな虫がいるんだろう?」
こんな子どもの好奇心を満たしてくれる絵本『地面の下のいきもの』を紹介します。
こちらの絵本では、地下の様子が細かく描かれており、地面の下の昆虫をはじめとした生きものについての知識や理解を深めることができます。
対象年齢が「おとなまで」と設定されているだけあり、私も初めて知ることばかりの内容でした。
大人も子どもも一緒に楽しめる、オススメの絵本です。
すごい虫ずかん(4・5歳~)
- 作:じゅえき太郎
- 監修:須田研司
- 出版社:株式会社KADOKAWA
- 文字:ふりがなあり
タイトルに「ずかん」とありますが、お話の絵本です。
子どもたちに人気の昆虫が大迫力のリアルな絵で描かれています。
水生昆虫も登場しますよ。
昆虫の生態がコラムのような形で紹介されていて、そこが図鑑のようでもあります。
知識を深めながら、お話を楽しむことができます。
虫に興味を持ち始めたばかりで、まだ図鑑を購入するほどでもないころにオススメの一冊です。
いもむしれっしゃ(4・5歳~)
- 作・絵:にしはら みのり
- 出版社:PHP研究所
- 文字:ひらがなとカタカナ
いもむしれっしゃが、虫が丘駅から終点のりんごの木を目指し、仕事を終えて休むまでが描かれています。
線路から見える景色の描写がとても細かく、「いもむしれっしゃはこんなところを通るんだ」と空想の世界が広がります。
車内にもたくさんの虫たちがいて、かわいらしいです。
親子で会話がはずむような一冊です。
かぶとむしランドセル(4・5歳~)
- 作:ふくべ あきひろ
- 絵:おおの こうへい
- 出版社:PHP研究所
- 文字:ひらがなとカタカナ
おじいちゃんからもらったかぶとむしランドセルは、学校で大暴れ。
困りもののランドセルではありましたが・・・
お笑い要素が散りばめられていて、かなり笑えます。
幼稚園で先生に読んでもらって、「おもしろいから絶対買って!」と息子にねだられて買った絵本です。
年長のときでした。
小学校入学前の子どもにもオススメの一冊です。
5・6歳以上(年長~小学校低学年)
虫ガール(3、4歳 小学校低学年)
- 文:ソフィア・スペンサー(虫ガール)/マーガレット・マクナマラ
- 絵:ケラスコエット
- 訳:福本友美子
- 出版社:岩崎書店
- 文字:全部ふりがなあり
公式HPでは対象年齢が3・4歳となっていますが、話の内容を理解できるのは5・6歳くらいからではないかと思うので、ここで紹介させていただこうと思います。
「女の子なのに虫が好きなんて変」とクラスメイトにからかわれたことで、虫好きをやめようと考えた主人公ソフィアでしたが、お母さんのサポートによって「女の子でも虫が好きでいいんだ」と自信が持てるようになります。
私がこのお話から伝わってきたのは、「人の目を気にすることなく、好きなことは好きなままでいていい」「自分の居場所はそこだけではない、必ず見つかる」というメッセージです。
3~4歳くらいの小さい子どもには、「お友達の好きなことを否定すると、お友達は悲しくなる」という、相手の気持ちを考える機会になるのでは、と思います。
「虫ガール」は実際にあったお話で、親である私は、お母さんのサポート方法が勉強になった一冊でした。
カブトムシの音がきこえる(自分で読むなら小学中学年~)
- 文:小島渉
- 絵:廣野研一
- 出版社:福音館書店
- 文字:ふりがなあり
みんな大好きカブトムシのすべてがこの一冊につまっています。
絵本ですが、かなりくわしく、本格的な内容です。
少々むずかしい内容でありながら、ところどころ漫画仕立てになっていて、気楽に読めるようになっています。
息子もゲラゲラ笑って読んでいて、何がそんなにおもしろいのかと思ったら、「幼虫は二酸化炭素に集まる」という漫画仕立ての解説を読んでいました。
カブトムシが好きな子は必読の一冊です。
お話が長いので、読み聞かせには向きませんが、ふりがながついていますので、ひとり読みができる子なら就学前から読めると思います
わたしたちのカメムシずかん(自分で読むなら小学中学年~)
- 文:鈴木海花
- 絵:はた こうしろう
- 出版社:福音館書店
- 文字:ふりがなあり
掃除の時間に掃き集められた、嫌われ者の昆虫カメムシ。
それを見た校長先生が「カメムシについて調べてみませんか?」と子どもたちに提案するところから物語がスタートします。
そんなささいなきっかけから物語が展開していくのですが、「日常の出来事を調べてみるとおもしろいかもしれない」という気づきを与えてくれる一冊でした。
『わたしたちのカメムシずかん』の舞台は岩手県にある小学校で、実話なんだそうです。
たくさんの種類のカメムシが登場し、カメムシについての知識も深まる楽しい絵本です。
話が長く、読み聞かせは大変ですが、内容は年長くらいから理解できると思います
昆虫の体重測定(自分で読むなら小学中学年~)
- 文・絵:吉谷昭憲
- 出版社:福音館書店
- 文字:ふりがなあり
一般的なはかりではわからない昆虫の体重を、1万分の1gからはかれる電子天秤を使って体重測定をする、というお話です。
いろいろな昆虫の体重を、ひたすらはかっていきます。
「○倍」「○分の○」などの表現も多く、算数の勉強にもなります。
5歳の息子にはむずかしい内容なのですが、「○より○の方が重い」くらいはわかるようで、楽しんで読んでいます。
好奇心旺盛な虫好きの子どもが喜ぶ一冊です。
幼年版・ファーブルこんちゅう記
年長くらいから読める、児童書『幼年版・ファーブルこんちゅう記』がオススメです。
以下の記事でくわしく紹介していますので、気になる方は読んでみてくださいね。
まとめ
今回は、息子のお気に入りの虫の本を、絵本を中心に紹介させていただきました。
わが家では、「読書の楽しさを味わって、本好きになってほしい」との考え方から、息子には好きな本を選ばせています。
「いろいろなジャンルを読ませた方がいい」という考え方もありますが、私自身が人から強要されたものを読みたくないという考え方なので、「読みたいものを読む」でいいのではないかな?と思っています。
今回紹介した絵本の一覧だけ見てもわかるように、「虫の絵本」というジャンルだけでも、バラエティー豊かな内容ですよね。
興味のあるジャンルの本を読んでいて、その内容で気になることが出てきて、全然違うジャンルの絵本を選ぶこともあります。
子どものころに、「読書は楽しい」という経験をたくさんすることが、大人になっても本好きになるために大切なことかと思います。
ぜひ、好きな本をたくさん読んで、親子で楽しい読書生活を送ってくださいね。