私は虫が苦手です。
しかしながら、昨年、息子の熱意に負けまして、アゲハ蝶の幼虫を飼うようになりました。
それから何度も羽化まで育てています。
今回は、虫が苦手な母が、子育てや家事のできるだけ負担にならないように育てるには?と考えて、たどり着いた「アゲハ蝶の幼虫の飼い方」を紹介しようと思います。
苦手とはいえ、もちろん図鑑等で飼い方を調べた上で責任を持って育てています。
「アゲハ蝶の幼虫の飼い方を知りたい」
「子供が蝶の羽化まで観察したいと言っているけど、サポートできるか自信ないな・・・」
こんな方は、是非最後まで記事を読んでみてくださいね。
参考にしていただければ嬉しいです。
ここから下には、我が家で飼っていた幼虫の写真を載せています。
苦手な方はご注意ください。
幼虫の誕生・1齢幼虫
飛んでいるアゲハ蝶は見かけるけれど、その割に幼虫って見かけない気がしませんか?
ある日、息子に「アゲハ蝶の幼虫を飼いたい」と言われ、公園の茂みを探しました。しかし、見つけることができませんでした。
後に、図鑑を見てびっくり!アゲハ蝶(ナミアゲハ)の幼虫はサンショウやミカン科の木の葉っぱしか食べないんですね。
アゲハ蝶だけではなく、どの虫も「食草」と呼ばれる、ご飯として食べる葉っぱが決まっていることをこの時に知りました。
しかし、植物にさっぱり詳しくない私は、公園でミカン科の木やサンショウの木を見つけられる自信がありませんでした。
考えた末、息子の願いを叶える為に、アゲハ蝶の中でもポピュラーなナミアゲハの食草である金柑の木とサンショウの木を買って庭に植えることにました。
ナミアゲハのお母さんは食草にしか卵を産みません。
しばらくするとしばらく経ったある日、葉っぱに1㎜ほどの小さな卵を見つけ、4~5日後にナミアゲハの幼虫が産まれてきました。
よく見ないとわからないくらい小さいです。この子は金柑の木で産まれ、葉っぱをムシャムシャ食べて大きくなっていきました。
2~4齢幼虫
数日ごとに脱皮を繰り返しながら、大きく成長します。初めての脱皮の後は2齢幼虫、次の脱皮の後は3齢幼虫・・・と呼びます。ナミアゲハの幼虫は4齢までが黒と白の色をしています。
写真は、サンショウの木で産まれた子達です。3齢くらいの頃だったかと思います。
終齢(5齢)幼虫
4齢幼虫が脱皮をし、終齢幼虫になりました。体の色が緑色になりました。
前蛹(ぜんよう)・蛹化(ようか)
終齢幼虫になってから1週間ほどで、蛹になる準備が始まります。
羽化を観察する場合は、幼虫が蛹になる準備を始める前に、枝ごと家にある飼育ケースなどに移します。幼虫は蛹になる場所を求めて、うろうろ歩き回ります。幼虫が木から離れると見つからない為、羽化の観察をしたい場合、この段階になると幼虫を室内で飼うことにしています。
幼虫が緩いフンをすると蛹になる合図です。ケースを動かさないように注意して、静かに見守ります。
口から糸を吐き、体を枝に固定させて前蛹になります。体が縮んでいますね。
その1~2日後、蛹になります。
蛹の様子が見えにくいのですが・・・
こちらは2ℓのペットボトルを利用した飼育ケースです。ペットボトルの上の部分を少しカットして、上に排水溝ネットを被せて(輪ゴムで止めて)使っています。
市販の飼育ケースは使用後に洗うのが面倒ですが、ペットボトルの飼育ケースは使い捨てできるので楽です。
羽化
蛹になると、10日ほどで羽化します。寒くなってくると、蛹の状態で冬を越します。
ナミアゲハの羽の色が透けて見えてくると、そろそろ出てくる合図です。
ペットボトルの飼育ケースで蛹になった後は、広い段ボール箱に移して羽化を観察しています。写真は蛹から出た直後のナミアゲハの成虫です。まだ羽が縮んでいます。2時間くらい経ち、羽が広がれば飛べるようになります。
幼虫を外で飼う場合のメリットと注意点
このように、我が家ではナミアゲハの幼虫を、基本ほったらかしで育てています。「触らなくて良い」これが虫が苦手な私にとって、ナミアゲハの幼虫を外で飼う一番のメリットです。
そして、子育てや家事のできるだけ負担にならないという点では、「掃除」「餌の交換・管理」の面で外で飼う方がおすすめです。
ナミアゲハの幼虫は大量のフンをします。室内の飼育ケースの中で飼うと、掃除が面倒です。しかし、外で飼えば、フンは土の上に落ちるだけなので掃除の必要はありません。
また、室内の飼育ケースで飼うと、餌の葉っぱを木から切って与えます。その場合、初日はいいのですが、段々としおれたり乾燥してしまいます。乾燥した葉っぱは使えなくなり、無駄になってしまうこともあります。餌の交換も面倒です。
庭に植えた木(鉢植えでも可)でそのまま幼虫を飼う方が、餌の管理の面でも心配が少ないです。
ただ、ひとつ注意点があります。それは寄生虫です。ナミアゲハの幼虫に寄生するハチやハエがいるのです。
心配な方は木にネットを被せておきましょう!
寄生虫が心配で、最初から室内で飼っこともあるのですが、うまく育てられませんでした。外の環境で育った子の方が食欲もあり、大きく育っていました。
我が家ではこれらの理由から、今のところ外で育てる方法で落ち着いています。
まとめ
幼児だとまだ一人でお世話できないので、どうしても親が手伝うことになります。
お世話は面倒なのですが、それを上回る良いところがあります。観察している間は静かにしてくれるので助かるし、何よりとても楽しそうです。きっと、子供の頃の楽しい記憶として残るのではないでしょうか?
虫が苦手じゃない家族がいれば、是非積極的に手伝ってもらってくださいね。幼虫からきれいなアゲハ蝶になる瞬間は感動します!家族の素敵な思い出の1ページになることでしょう。
[参考文献]
- 小池啓一・小野展嗣・町田龍一郎・田辺力(2020)『小学館の図鑑NEO 昆虫』小学館
- 阪口浩平・宮武頼夫 他(1983)『むし くらしとかいかた』ひかりのくに