わが家には、虫が大好きな小学生の息子がいます。
5月、公園でナナフシ(ナナフシモドキ)の幼虫を見つけました。
「どうしても飼いたい!」という息子の希望で、わが家では初めてナナフシの飼育に挑戦することにしました。
実際に約2か月飼育してみると、食草さえ確保できれば、それほど手がかからず、初心者でも飼いやすい昆虫だということがわかりました。
この記事では、実際に飼育してわかったことや感じたことを交えながら、
- 飼育で用意するもの
- エサになる植物
- お世話
について、初めてナナフシを飼育する方にもわかりやすく解説します。
これからナナフシを飼ってみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
ナナフシとはどんな昆虫?
ナナフシは、木の枝や葉にそっくりな姿で身を守る「擬態(ぎたい)」が得意な昆虫です。
日本にはいくつかの種類が生息していますが、わが家で飼育したのは、日本でよく見られる「ナナフシモドキ」です。
ナナフシモドキは雑木林などに生息し、低い枝についた若葉で見つかることが多いと図鑑に書かれています。
この記事では、ナナフシモドキのことを「ナナフシ」と表記します。
ナナフシに毒はある?
ナナフシに毒はありません。
そのため、やさしく触る分には問題ありません。
ただし、危険を感じると脚を自ら切り離す「自切(じせつ)」をすることがあるため、脚を持ったり、強くつかんだりしないようにしましょう。
ナナフシはどのくらい生きる?
図鑑によると、ナナフシは4月中旬から5月頃に孵化します。
その後、7月頃に成虫となり、9月頃まで活動するとされています。
わが家で飼育したナナフシも、5月下旬に終齢幼虫を捕まえ、1度脱皮をして成虫になりました。
ナナフシの飼育で用意するもの
ナナフシの飼育に必要なものは
- 少し高さのある飼育ケース
- ナナフシの食草(葉の付いた枝ごと)
- 霧吹き
の3つがあれば十分です。
どれも特別なものではないため、初心者でも比較的簡単に飼育を始められます。

飼育ケース
ナナフシは脱皮をするとき、体を下へ伸ばした状態になります。
上下に十分な空間がないと脱皮に失敗してしまうことがあるため、高さのある飼育ケースを用意しましょう。
わが家では、幅30cmほどの飼育ケースを縦向きにして使用しています。
高さを確保できるため、ナナフシの飼育にぴったりです。
飼育数の目安は、図鑑では成虫1匹なら30cm程度のケース、40cm程度のケースでも3匹くらいまでとされています。
エサ
ナナフシ(ナナフシモドキ)のエサは、植物の葉です。
図鑑によると、次のような植物の葉を食べます。
- サクラ類
- バラ
- クヌギ
- コナラ
- クズ
- ウメ
- エノキ
- スイカズラ
など、さまざまな広葉樹や草の葉が食草になります。
しおれた葉はあまり食べません。
また、図鑑では幼虫にはできるだけ若葉を与えることがすすめられています。
そのため、新鮮な食草を用意できるかどうかが、ナナフシ飼育のかぎといえるでしょう。
わが家で飼育しているナナフシは、家庭で育てているミニバラの葉をよく食べています。
葉をできるだけしおれさせないためには?
葉を長持ちさせる方法をいろいろ試してみましたが、葉の付いた枝を水を入れた瓶に挿しておく方法が、一番簡単で食草を交換する手間も少なく、おすすめです。
ただし、ナナフシが水に落ちると溺れてしまうことがあります。
そのため、瓶の口はティッシュや脱脂綿などでふさいでおくと安心です。
霧吹き
1日1回を目安に、飼育ケース内に霧吹きで軽く水分を与えます。
そのため、霧吹きを1本用意しておくと便利です。
必須ではないが、あると便利なもの
ここまで紹介したものがあれば、ナナフシを飼育することができます。
ここからは、必須ではありませんが、あると便利なものを2つ紹介します。
キッチンペーパー・新聞紙
ナナフシはフンが多い昆虫です。
ケースの底にキッチンペーパーや新聞紙を敷いておくと、フンの掃除がしやすくなるのでおすすめです。
鉢底ネット(足場)
食草の枝をたっぷり用意できない場合は、ケースの中に鉢底ネットを入れておくと、ナナフシの足場になり、移動しやすくなります。
お世話の仕方と観察のポイント
ナナフシのお世話の仕方
ナナフシのお世話は、基本的には次の3つだけです。
- エサの葉がしおれたら新しい葉に交換する
- 1日1回、霧吹きで軽く水分を与える
- 数日に1回、フンを掃除する
これだけです。
直射日光は避け、風通しのよい場所で飼育しましょう。
エサを食べないときは?
食べ慣れていない植物の葉は、すぐに食べないこともあります。
わが家では、採集した場所で食べていた葉の付いた枝を少し分けてもらって持ち帰りました。
その後、家庭で育てているミニバラの葉へ切り替えたところ、最初はなかなか食べませんでしたが、しばらくすると自然に食べるようになりました。
どうしても食べない場合は、採集した場所で食べていた植物の葉を用意してあげるとよいでしょう。
脱皮しそうな時は?
ナナフシはぶら下がって脱皮します。
このときにケースを揺らしたり触ったりすると、落ちてしまい、脱皮が失敗することがあります。
ぶら下がっていて脱皮しそうな様子を見つけたら、静かに見守りましょう。
幼虫と成虫の見分け方
息子が5月に捕まえたナナフシは終齢幼虫だったようで、1度だけ脱皮をしました。
バッタやカマキリは幼虫には羽がないため、成虫かどうかを比較的簡単に見分けられます。
しかし、ナナフシは成虫も羽がないので、見分け方が難しかったです。
「終齢幼虫はあしのしまもようが目立つ」という特徴があるので、成虫かどうかを見極めたい場合は足に注目するといいでしょう。
産卵したら?
ナナフシはオスがいなくても卵を産み、孵化する種類が多いことで知られています(単為生殖)。
そのため、1匹だけ飼っていても産卵します。
成虫になってから10日ほど経つと産卵するようになるので、掃除の時に注意して見てみてください。
フンと一緒に卵が落ちています。
わが家のナナフシも毎日のように産卵していました。

カブトムシやクワガタのように産卵のための環境を整える必要はありません。
卵を孵化させたい場合は?
孵化させたい場合は、卵を小さな容器に移し、湿らせた砂とペーパータオルを入れて、翌年まで冷蔵庫で保管する必要があります。
主婦の立場としては、「冷蔵庫で保管するのか…」と少し悩ましいところでした。
図鑑によると、2月頃に冷蔵庫から出すと、4月頃に孵化するとされています。
まとめ
ナナフシは、食草さえ用意できれば、毎日のお世話は霧吹きとフンの掃除が中心で、初心者でも比較的飼育しやすい昆虫です。
一方で、脱皮中は静かに見守ることや、新鮮な食草を切らさないことなど、長生きさせるためのポイントもあります。
わが家でも初めてナナフシを飼育しましたが、脱皮や産卵など、自然の不思議を間近で観察することができ、親子で貴重な経験になりました。
これからナナフシを飼育してみたいと考えている方の参考になれば幸いです。
参考文献
- 小学館の図鑑NEO『飼育と観察』(小学館)
- 森上信夫・林将之『昆虫の食草・植樹ハンドブック』(文一総合出版)
今回参考にした図鑑はこちらの記事で紹介しています







