わが家の金柑とサンショウの木には、毎年ナミアゲハが卵を産みにやってきます。
昆虫が大好きな息子は、卵からかえった幼虫を毎日観察し、愛情たっぷりに世話をしています。
ある日、楽しみにしていた幼虫のひとつがサナギになったのですが、ケースをのぞくと、なんと黒っぽく変色しているではありませんか。
「死んじゃったのかな…?」と親子で話しながらよく見ると、底に小さな黒いつぶが落ちていました。
その正体は、ナミアゲハに寄生した寄生虫「ヤドリバエ」のサナギだったのです。
今回は、ナミアゲハが蝶になれなかった原因となる寄生虫と、寄生されないための対策についてお話しします。
- ナミアゲハの飼育に挑戦してみたい
- 外でナミアゲハを育てるリスクを知りたい
- ナミアゲハの寄生虫について学びたい
という方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。
この記事には、ナミアゲハや寄生虫の写真があります。観察の参考になりますが、苦手な方は無理せずスキップしてください。
ナミアゲハの羽化までの観察をまとめた記事はこちら

黒くからっぽになってしまったナミアゲハのサナギ
もともと鮮やかな緑色をしていたナミアゲハのサナギ。親子で羽化を心待ちにしていました。
ところが、サナギは徐々に黒っぽく変色していきます。羽化の直前にも少し黒くなりますが、羽の模様も透けておらず、何か違う様子です。
よく見ると、体液がにじみ出て中はからっぽに。

さらに飼育ケースをよく見ると、底に小さな黒いつぶが落ちていました。

変わり果てたサナギを見て、息子も私も驚きを隠せませんでした。
黒いつぶの正体は寄生虫「ヤドリバエ」のサナギだった
飼育ケースの小さな黒いつぶの正体は、寄生虫「ヤドリバエ」のサナギです。
ヤドリバエはナミアゲハに寄生する代表的な寄生虫で、とても不思議かつ少し恐ろしい習性を持っています。この虫は、ナミアゲハのサナギの中身を食べ尽くし、最後にはその殻を破って外に出てくるのです。
おそらく、ヤドリバエがサナギの中から出てきたときは、白いうじ虫の状態だったはず。しかし、発見が遅れたため、私たちが見つけたときにはすでにサナギになっていました。
成虫のヤドリバエは小さな卵をアゲハ蝶の食草に産みつけます。すると、幼虫が食草と一緒にその卵を食べることで、寄生がスタートするのです。
ヤドリバエについてくわしく知りたい方へ
ヤドリバエについては、YouTubeチャンネル「おたま日記 Otama diary」の「アゲハ観察日記」でよりくわしく学ぶことができます。
なお、虫好きの子どもにおすすめのYouTubeチャンネルをまとめた記事でも、こちらのチャンネルを紹介しています。
息子もこのチャンネルで、ナミアゲハについて少しずつ知識を増やしてきました。小さな子どもでも安心して楽しめる内容です。

ナミアゲハを寄生虫から守るためにできること
ナミアゲハの幼虫への寄生を防ぐには、次のような方法があります。
- 室内で飼う
- 外で飼う場合は木にネットをかける
- 幼虫にあたえる葉っぱをきれいに拭く
ただし、正直なところ、家事や育児の合間にここまで手間をかけるのはなかなか大変です。
もちろん、手をかければかけるほど寄生虫の被害は少なくなります。
でも、慣れない虫のお世話で時間や心に余裕がなくなると、「次からは絶対やりたくない!」と思ってしまうことも。虫好きの子どもをサポートすること自体が、プレッシャーになってしまうかもしれません。
そうならないためにも、できるだけ無理せず負担のない方法で飼育することが大切です。
わが家では「寄生されてしまったらそれも自然の一部」と考え、自然に近い方法で育てています。
寄生をできるだけ防ぎたい場合は、先ほどの3つのポイントに注意して飼育するのがおすすめです。
ナミアゲハ観察のポイントとまとめ
アゲハ蝶の幼虫を育てていると、病気や寄生虫など思いがけないハプニングがあります。
さまざまな試練を乗り越えたものだけが蝶になれるのです。
息子も寄生虫には驚きましたが、生きものの奥深さや自然の不思議に興味を持つきっかけになりました。
親である私も、苦手な寄生虫から生きものの世界の不思議さを感じます。寄生にあうこともありますが、それも自然な過程のひとつ。
完璧を目指さず、「観察して楽しむ」ことが大切です。ナミアゲハの羽化に失敗することもありますが、それも貴重な経験。怖がらず、ぜひ挑戦してみてくださいね。






