わが家の息子は虫が大好きです。2歳のころから夢中で、遊びに出かけた先の植え込みでもちょっとした虫を見つけては大喜び。
「せっかくなら思いっきり虫とりをさせてあげたい」…でも、全国には「虫とり禁止」の場所もたくさんあるんです。
特に自然が豊かな場所ほど、珍しい昆虫に出会えるチャンスは増えますが、生きものを守るためのルールや法律もきちんと決まっています。
この記事では、虫好きな子どもを持つ保護者の方向けに、
- 子どもの虫とりで気をつけたいこと
- 虫をとってはいけない場所や種類
- 虫とりのお出かけでの注意ポイント
などを、法律や条例にも触れながら、できるだけわかりやすく解説していきます。
「これから虫とりを始めたいけど、ルールもきちんと守らせたい」
そんな方は参考にしてみてくださいね。
小さな子どもの虫とりで気をつけること
小さな子どもが虫とりをするときは、子ども自身や周りの安全に気をつけることと、他の人に迷惑をかけないことが大切です。
普段の虫とりでは、特に次の5つに注意するとよいでしょう。
- 広くて安全な場所を選ぶ
人や車の少ない広場や公園などで遊ぶと安心です。 - 他人の敷地には入らない
田んぼや畑、 私有地などには入らないよう注意しましょう。 - 虫とり網の扱いに注意
人にぶつけないように、周りの安全を確認しましょう。 - 危険な虫に気をつける
蜂、毛虫、マダニ、サシガメなど、刺したりかぶれたりする虫に注意しましょう。 - 熱中症対策を忘れずに
体温調節が未熟な小さな子どもは特に水分補給や休憩をこまめにとるようにしましょう。
小さな子どもは視野が狭く、周りの危険に気づきにくいため、転んだりぶつかったりしやすいです。
わが家の息子も虫を追いかけているとき、「普段よりまわりが見えていないな」と感じることがよくあります。
だからこそ、子どもの安全や周囲の状況を保護者がしっかり見守ることが大切です。
危険な虫について知っておこう
危険な虫については、どんな虫がいるのか図鑑で確認しておくと安心です。子どもと一緒に調べてみるのがおすすめです。
おすすめの危険生物図鑑を紹介している記事はこちら

法律・条例で決められている虫とりのルール
ここまでは「虫とりをしているとき」の注意点でしたが、虫をとる前にも確認しておきたいことがあります。
それは、「その場所で虫をとってもよいかどうか」です。
日本には、法律や条例で「虫とり禁止」とされている場所があり、もしルールを破ると罰則が科されることもあります。また、虫をとってよい場所であっても、「とってはいけない虫」も存在します。
ここでは、子どもがいる家庭が知っておくべきポイントに絞ってお話しします。
虫とり禁止の場所
虫とり禁止の場所は、国の法律や都道府県・市町村の条例で細かく決まっています。すべてを解説するととても長くなるので、ここでは特に注意したい場所に絞ります。
自然が豊かな場所
人の手があまり加えられていない自然の中や、そこでしか見られない生きものがいる場所は、基本的に虫とりは禁止と覚えておいた方がいいでしょう。
自然を守るために、国や自治体が採集ルールを細かく決めています。公式HPで利用案内を確認すると、採集に関する情報が載っています。
私は、検索サイトで「○○(行きたい場所) 昆虫採集」と入力して、ルールを調べています。知らずに違反してしまうトラブルを防ぐためにも、事前のチェックが大切です。
国立・国定公園
国立公園や国定公園では、エリアごとに管理されており、「特別保護地区」では虫とり禁止、「特別地域」では種類によって採集禁止、などルールがそれぞれ決められています。
公園の公式サイトの利用案内には「昆虫採集禁止」や「虫とり網・虫かごの持ち込み禁止」と書かれていることが多いので、お出かけ前に必ず確認しましょう。
とったりさわったりしてはいけない虫
虫をはじめ、生き物の中には絶滅の恐れがあるなどの理由で、採集やさわること自体が禁止されているものがあります。
採集禁止の虫=“レアな虫”
- 天然記念物に指定されている虫
- 国内希少野生動植物種に指定されている虫
これらは、日本のごく一部にしか生息していないか、絶滅の危険がある虫です。見つけても捕まえず、採集禁止のルールを確認しましょう。
たとえば「ヤンバルテナガコガネ」のようなとても貴重な昆虫は、死んでいても触るだけで違法になる場合があります。国の天然記念物を無断で採集すると、懲役や罰金の対象になることもあるため注意が必要です。
場所によってルールが変わる虫も
同じ虫でも、地域によって採集が禁止されている場合があります。
例えば、ミンミンゼミは、
- 関東:普通に虫とりできる
- 北海道和琴半島:天然記念物で採集禁止
となっています。
このように、地域によっては保護の対象となっており、採集禁止となっている場合がありますので、地域ごとの採集ルールを事前に確認しておくと安心です。
特定外来生物に注意
外来生物のうち、生態系に影響を与えるものは「特定外来生物」として指定されており、以下のようなルールになっています。
- 捕まえること自体は違反にならない
- しかし、生きたまま移動させたり、持ち帰ったりすることは禁止
関東では「アカボシゴマダラ」という蝶が身近な例です。
親子で「特定外来生物とは何か」「どんな昆虫がいるか」を確認しておくと、学びにもなり、安全に虫とりが楽しめます。
環境省のHPには「特定外来生物一覧」が掲載されているので、出かける前にチェックしてみましょう。
旅先での虫とりルールを理解しよう
自然豊かな場所への家族旅行で、図鑑でしか見たことがない虫に子どもを会わせたい…子どもが虫好きなら、親としてそんな気持ちになることがありますよね。
わが家の息子も「石垣島に行きたい!」と言ったことがきっかけで、旅行を計画しました。
しかし、自然が豊かな場所ほど、守るべきルールは細かく決まっています。虫とりのルールを知らずに行動すると、意図せず違反になってしまうこともあります。
たとえば石垣島では、
- 採集禁止の虫は網に入れない
- 採集禁止エリアは広範囲に設定されている
といった注意点があります。
公園やエリアによって管轄が異なるため、HPだけではわかりにくいときは、電話で問い合わせてみるのもおすすめです。
「自然が豊かな場所ほど、自由に虫とりできるわけではない」ということを、頭に入れておくと安心です。
どこへ行く場合でも、事前に情報を調べて子どもにわかりやすく伝え、よくわからない虫や生き物は触らないことが大切です。
マングローブで生き物観察をしたい方はこちらの記事も参考にしてみてください

まとめ:子どもの虫とりはルールを守って楽しもう
子どもにとって虫とりは、自然にふれあいながら学べるとても楽しい体験です。
しかし、場所によっては虫とりが禁止されているエリアや、とってはいけない虫もあります。
知らずにルール違反をしてしまわないためにも、出かける前にその場所のルールを確認しておくことが大切です。
また、虫を追いかけている子どもは周りが見えなくなりがちです。安全な場所を選び、危険な虫や熱中症にも気をつけながら、保護者が見守ってあげましょう。
ルールと安全に気をつけながら、子どもと一緒に楽しい虫とりの時間を過ごしてくださいね。
参考文献:『いきもの六法』(中島慶二・益子知樹、山と渓谷社、2022年)
※この記事では2022年の旧版を参考にしていますが、現在は改定版が出版されています。






